BOSE君

以前BAPE HEADS SHOWでツアーした時、大阪で1日中日(なかび)ができたんですよ。ツアーで地方に出てる時に中日ができるって結構嬉しいんだよね、要は1日なんもしなくていい訳だからね、しかも地方で。
といっても、前日のLIVE後に打ち上げプラスその後みんなでCLUBイベントにまで行ったから、結局その日は二日酔いで夕食までホテルで寝てたんですけどね。
 
その中日での話、二日酔いもやっと収まってホテルの横の本屋に行ったんですよ、そしたらスチャダラパーのボーズ君がすごい量の本を買ってんのね。
家の近所の本屋ならまだしも、ツアーで訪れた大阪の本屋でですよ。
読んだら捨てちゃうような雑誌とかじゃなく、ちゃんとした単行本とかアート系の本とか、明らかに読み捨てじゃない本を大量に買ってんのね。
 
「ボ?ズ君、すごい買ったね!!」って言ったら、「いや、面白そうなのが結構出てたんで、忘れないうちに買っとこうと思って」って言うんで、「でも、そんな買ったらこれからツアーで持ち歩くの大変じゃない?」って聞いたんですよ、そしたら「そうだね、明日ホテルから東京に送るよ」って。
俺それ聞いて、ボーズ君ってさすがだなー!って思ったんですよ。
普通買わないでしょ、旅先で何冊も本を。
もし旅先で気に入った本があったとしても、1冊や2冊ならともかく、持ちきれない程の本を何冊も買わないよね、普通の人だったら。
また今度買えばいいやって思って終わりか、あるいは本のタイトルを控えておいてあとで近所の本屋で買うとかでしょ。
 
でもそうやって「今度買おう」って思ってて結局買わないで終わってしまう事って多いでしょ。ビデオとかも「今度時間ができたら観よう」なんて思ってて結局観ない映画とかさ。
それをわざわざ送る手続きまでして、送料まで払ってちゃんと見ようとするボーズ君の好奇心というか、興味に対する力の入れ方がすごいなって思ったんですよね。
僕だったら絶対「面白そうだけど、持って帰るのも重いし、わざわざ宅急便で送るのも面倒だから、また今度東京の本屋で見つけたら買おう・・・」なんて思って、結局そのまま買わずに終わってしまうだろうな。
 
ボーズ君といえば、ユウヒビールのジャケット制作を弟のタカちゃんとボーズ君宅でやってて、明け方に帰ろうとしたら、ちょうどボーズ君が帰宅してきたんだけど、玄関のドアの外でなんか写真撮ってるんですよ。
「何してるんですか?」って聞いたら「いや、ちょうど朝日が昇ってきてすごいきれいだから撮ってんの」って自分の家の前で早朝4時頃に写真撮ってんですよ。
これもすごいなあって思うよね。
普段見なれた家の外の景色を、朝4時頃に疲れて帰って来た時に、わざわざ写真に納めてるんですよ。
普通だったらどんなにきれいでも家の玄関からの景色なんて「また見れるだろ」で終わりですよ。それを疲れて朝帰って来たときに「きれいだな!」ってわざわざちゃんと写真に撮ってるんですよ。
 
自分が興味ある事に対して労力を惜しまないっつーかね、そのパワーがすごいと思うよね。
興味あったり、「面白そうだな」って思っても、人ってついつい後回しにしちゃったり、労力や費用を考えると結局おざなりにしてしまったりする事が多い訳ですが、そこにちゃんと力を費やすっていうのはホントすごいですね。
 
最近つくづく、こういう事ができるかどうかって、本当に大切だと思うんですよ。
ちょっと話は違うかもしれませんが、世の中に本当に面白い事・すごい事・自分に合う事って実はすごく少ないと思うんですよ。
本だって10冊読んで、そん中に1冊本当に興味深かったのがあれば良いって感じでしょ。
映画だってCDだって本当に後々まで自分の中に残るのなんて10〜20に1つとかって感じですよ。それこそ自分の人生をも左右する作品に出逢うなんて、1000に1つとか、そういうレベルですよね。
だから逆に言うと、その位色々読んだり観たりしないと、本当に自分の好きなもの・役に立つものには巡り会えないと思うんですよね。
 
だからね、とにかくちょっとでも自分のアンテナに引っかかったものには、本当にその瞬間にコンタクトしてかないといけないんですよね。
それを毎日やって、何十何百ものモノにコンタクトして、初めて1つ位「これだ!」っていうものに巡り会えたり、あるいはそれによって自分の中に何かが浮かんだりするんだと思うんですよ。
だからせっかく自分のアンテナに引っかかったモノに対して「また今度でいいや」って後回しにしちゃってたら、いつになっても本当にものすごいレベルで自分を突き動かすものには会えないだろうなと、思ったり思わなかったり・・・。