行列のできない男

ご存知の通り、僕は美味しいお店に行くのが大好きなんですが、それに反してなるだけ『行列』に並びたくないというポリシーを持ってるんですよ。
まあポリシーなどと呼んでいますが、単なる我がままと言えばその程度でもあるんですが、食欲って人間の根源的な欲求じゃないですか、なのに食べ物に1時間も2時間も並ぶのって、それがどんなに美味しい店だとしてもその根源的な欲求に反してる気がすんだよね。
 
例えば動物が獲物を捕らえるために1時間も2時間も粘ってるっていうのは、すごく正しいと思うんですよ、それこそ食欲ですからね。
獲物捕らえらんないと自分が死んじゃう訳だから。
でも、すぐ食べれる獲物が横にいるのに、それを食べずにもっと美味しい獲物が来るのを何時間も待ってるって、ちょっと生き物としておかしいでしょ?
そりゃー僕も美味しい物が好きですから、美味しい物とまずい物があったら、絶対美味しいものを選びますよ。
そしてそのためにはそれなりの労力も惜しまないですけど、だからといって1時間も2時間も自分の欲を我慢してお店に並んでるのって、そもそも欲求としておかしいと思うんだよね。
 
お前の食欲はそのくらいなのか?と。
2時間も我慢できるような欲求なのか!?と。
 
それと『待ってる』という行為がなんか前向きじゃないというか、やっぱり『食欲』と言うくらいですから、自分から食らいついて行きたい訳ですよ、それなのに行列に並んでるのって、なんか餌を与えられるのをおとなしく待ってるっていう、すごく消極的な感じがするでしょ。
同じ時間でも、1時間かけて遠くまで食べに行くというのは自分から食いに行ってる能動性を感じるんだけど、お店の前で1時間じっと待ってるっていうの、なんか受動的なんだよね。。。
 
だから、ラーメン屋にしても寿司屋にしても、それを食べにわざわざ1時間かけて行くというのはまだ理解できるんだけど、1〜2時間待ちの行列に平気で並んでる人達を見ると、この人達は本当に『食欲』で並んでるのか?それともそれ以外のなんらかの理由で並んでるのか?正直よく分かんないんですよ。
 
我々も人間とはいえ単なる動物ですからね、『グルメ』かどうかの以前に、やはり生き物として自分の『食欲』に正直に生きたいと思うのですよ。
 
なぜこんな事を言うかというと、最近ちょっと流行ってる某ジンギスカン屋に行ったんだけど、当然のように行列で入れないのね、でだいたいの待ち時間を聞いてみたら、「2時間」だってよ!!
どうなの?ジンギスカン食べるのに2時間待ち!!
 
べつにその店は全然悪くないですよ、むしろそれだけ人気あるんだから相当がんばってるんでしょう。
しかし、2時間かけてジンギスカン待ってる人達、あんたそれでいいのか??と。
 
俺だってそこのジンギスカンが食べたくて勇んでやってきた、気持ちは同じです。しかし、2時間待つかね?
『食欲』がそのジンギスカン屋へと我々を導いて来たはずなのに、今まさにその食欲が最もおざなりにされてる。なんかめちゃくちゃ不思議な光景だったんだよね。
逆に「この人達、本当にジンギスカンを食べたいのかな??」って思っちゃった訳ですよ、「単に話題になってるから来ただけなんじゃないの??」と。
だってそこまで本気で食いたかったら、待てないでしょ!2時間も。
 
まあ、僕が言ってるのは単に「行列並ぶの面倒くせー!!」ということかもしれませんけど、でも野生の生き物が獲物をじっと待ってる2時間と、人間が待ってれば必ず与えられる餌を待ってる2時間というのが、あまりに違うことになんとも納得がいかず、結局近くでおでんを食べてしまいました。
 
羊肉を2時間待ってるキミ達!
もしそれが本当に食欲だと言うのなら、2〜3年前までは羊肉に30分たりとも並ばなかったのはおかしくねーか?
俺にはどうしてもそれが純粋な食欲と思えないのだ。。。