ベルギービール

ベルギーに行ってきた大きな理由のひとつは、僕のファンの人なら容易に推測できるかと思うが、その推測通り「うまいビールが飲みたーーい!!」という事なんです。

ベルギーといえば「ワッフル」と言う人、「レースの編み物」と言う人、通な人は「ムール貝!」と言うかもしれない、あるいは旅行マニアだったら「小便小僧!!」と言うかもしれない。でもね、僕にしてみたら、そりゃーもうダントツに「ビール!!」なんですよ。まあ正直な話、ベルギーに限って「ビール!」と言ってる訳じゃなくて、ドイツでも「ビール!!」だし、ライブ後の楽屋でも「ビール!」だし、夏ともなれば「ビール!!」だし、焼肉行けば「ビール!!」だし・・・、まあどこでもいいんですけどね。

でもまあ、旅行とかってある種勢いな訳ですよ。休める期間があって、さてどこへ行こうか?って時にすごい特別な理由なんていらない訳ですよ。「友達がいるからロンドン」とか「賭け事出来るから韓国」とか、「プロレス観たいからメキシコ」とか、まあそれは口実でしかないんですよ、別にどっかに行ければ良い訳。どっかで違う刺激を受けれればそれでいいんですよ。

そんな訳で半ば口実的にね「ビール飲みたいんだよ俺はー!!」なんて言って、やって来た訳ですよ、ベルギーに。まずはアントワープに行ったんだけど、ビール話は置いておいて、とにかく僕はこのアントワープって土地はすごく気に入ってしまいましたね。「何が?」と言われると困るのですが、人も良いし食べ物も美味しいし、強いて言えばタクシーが極端に少ないのが不便なんだけど、それ以外はホントすごく快適な街でしたね。

で、今回の話の中心となる『ビール』ですが、ベルギーはやっぱりビール王国でそこらの居酒屋とかでも普通に10種類以上のビールを置いてたりするんですよ。日本で居酒屋に行ってビール頼んで「どれにします?」とかって聞かれる事まずないじゃん。まあ多少「生にしますか?ビンにしますか?」とか「キリンとアサヒがありますけど」とかってのはあるけどね。それがベルギーでは、マジで10種類とか20種類とか、専門店になるとそれこそ何十種類あるんですよ。

おそらく日本で言うところの日本酒とかフランス・イタリアのワインみたいな感覚だと思うんだけど、10種類〜20種類とかのビールの中でどれを飲みたいか選ぶ訳ですよ。色だけとっても日本人的に一般的な黄金色のビールから黒いの白いのとあるし、アルコール度数でも一般的な5%前後のものから10%以上のワインや日本酒に近いものまでとにかくすごい種類なんですよ。

そして一番楽しいのはそのビールひとつひとつの種類によって、注ぐコップの形が違うんだよね。飲み口の広い物もあれば縦に長いコップもあるし、もちろん普通のジョッキ型のもある。各々がそのビールをいかに美味しく飲むかって事を考えて作られてるんですよ。

これってすごいよね、例えば日本酒でいちいちそのお酒によっておちょこの形が違ったりしないでしょ。ワインとかでも大まかにはグラスの形はあっても、ワインの種類ひとつひとつに違う形のグラスとかってないでしょ。そう考えるとベルギーのビールって世界中のお酒の中でも、トップクラスにこだわってる部類に入ると思う訳ですよ。

まあそんなはみ出し情報はさておきまして、さっそくベルギーで本場のビールを飲んでみよう!と勇んで飲み屋へと出かけました。ベルギーには2泊3日ほど居たのですが、色々な所で朝から夜中まで散々飲みました、ビールを。そして僕なりの感想が出ました!!

それは「日本のビールが一番うまい!!」という事でした・・・

なんかね、身も蓋のない結論で申し訳ないんですけどねベルギービールに対しては。一言で言えばこだわり過ぎなんですよ、ベルギービールって。妙に甘ったるいのとか、妙に味が濃いのとか、妙にクリーミーなのとか。とにかくどれもこれもかなりこだわってるんですけどね。なんか僕がビールに求めてる事ってそんな大袈裟な事じゃないなって・・・。

ビールに求めるものってね、例えば一日歩いて疲れた体で、よく冷えた生ビールをグググっと飲み干してね、プハーー!!とやって「ウマーーッ!!!」って、ただそれだけなんですよ。そんなんでいいんですよ。ワインのテイスティングとか、日本酒の利き酒とか、そんなんじゃないでしょ。もうグビグビのプハーの「ウマーッ!!」でいいんですよ、ビールなんて。その気持ち良さがどうにもベルギービールにはないんですね。なんつーか旨すぎるというのかな、どうにもプハー感がないんだよね。飲んだ後、「ふむふむ」とか「なるほどなるほど」って感じでね、なんか2回頭を傾けてしまうような感じなんですよ。たった1回「ぷはーー!!」じゃないんだよね。

しかしまあベルギービールっつーのはね、マジで奥が深いから、まだまだ僕の知らない美味しいビールも沢山あるんでしょうけどね。今の所は日本のビールで僕は充分ですね。もう少し年期が入って、やっぱり色んなビールを楽しみたくなった時にね、改めてベルギーに行きたいと思いますね。そしたらね、ただ単に「ぷは〜〜!!」ではなく、「ふむふむ」とか「なるほどなるほど」とね、ビール通をきどって楽しみたいですね。