この間、道ばたで激しく口論をしてる男女がいた。
他人の喧嘩が三度の飯より好きな僕としては、当然のごとくその横を通り過ぎる時に自然と歩く速度が遅くなります。
あまり人通りが多い道ではなかったんで、さすがに近くに立ち止まって話を聞くという訳にはいきませんでしたが、かなりゆっくりと通り過ぎて、その口論の内容に耳を傾けたのですが、どうやら女性の方が会社の先輩で、後輩の男を注意してるという状況でした。
仕事でミスをおかした後輩を、先輩のOLが注意してると。
しかし、単に注意というよりは、喧嘩に近いくらいお互い熱く口論になってんのね。でも基本的には先輩の女性の方が後輩の男をしかってるという構図みたいなんですね。
でその時、口論の内容より面白かったのが、なぜかその女性がずっとガードレールの根元のちょこっと高くなってるコンクリート台の部分に乗ってるんですよ。
高さにして30cmくらいかなぁ
ちょっと高くなってるコンクリート台に立ってるのね。
これ、すごく不思議でしょ。
かなり真剣に仕事のことで口論してるんですよ、なのに、その間なぜか片方だけずっとそのちょっと高くなってるガードレール部に乗ってる訳ですよ。
後輩を立たせて自分はガードレールに座って説教してるとかなら分かりますよ。
しかし、お互い直立不動で、顔がつくんじゃないかってくらい、面と面と向かい合って口論してるのに、なぜか一人がそのちょこっと高くなった台に乗ってるんですよ。
よくよく見てみると、どうもその女性の方が背が低いんですね(まあ女性なので当然ですが)、それでそのガードレールの台に立つと、調度目線が男と同じ高さくらいになってるんですよ。
白黒のポストカードかなんかで、子供のカップルで背が低い方の女の子が台に乗って男の子にキスしてるみたいな可愛い構図のやつあるじゃない、あんな感じ。
でもこちらはキスではなく、口論なんですよ。
それが不自然すぎてめちゃくちゃ面白かったんですよ。
なんで、あんた台に乗って口論してんだよ??っていう。
おそらくその女性、自分が先輩でしかも怒ってる立場ということで、きっとナメられたくないんでしょうね、だからその台に乗ってあえて同じ目線の高さにしてるんだろうと。
本来なら、男の方を正座させて注意するとこだけど、道ばたでそうもいかないから、せめてあたしが台に乗って同じ高さくらいにはならせてもらうわよ!と。
でも、その姿がすごい間抜けな訳ですよ。
はたから見て、真剣味にかける。
だって、ガードレールの台に乗って説教ってないでしょ、、、
たぶん、先輩の女性の言い分の方が正しいんだから、あえてそんなことせずに説教してれば、それで説得力あると思うんだけど、なぜか目線を合わせるために台に乗ってしまってるがために、むしろ「この人はなんで台に乗って口論してるんだ??」と笑えてしまう。
関西方面の人は、池乃めだかさんが台に乗って自分より背の高い相手に喧嘩売ってるような画を思い浮かべてもらえば、その面白さが伝わるでしょうか。
もうどうにもこうにも可笑しいんですよ。
しかし、思えばこういう文字通り『立ち位置』ってのは重要かもしれないですね。
その昔、ヒトラーが常に自分の写真を少し下から見上げるように撮らせて、見る人に威圧感を与えてたというのは有名な話ですが、まさにこの女性ですよね。
どっかのビジネス書かなんかに書いてあったんですかね
「部下をしかる時は、かならず自分の方が高い目線になるようにすること」
とかね。
いや、実際意味あるだろうな、精神レベルではそういうのって。しかし、はたから見ると意外に間抜けであると。
<小宮山式ビジネスルール・部下への説教編>
台に乗って説教する姿は、はたから見ると、とてもマヌケである。
はい、これ覚えといて下さい。
<2014年のあとがき>
これもすっかり忘れていたけど、たしかにこんなことありました。
こういう、どうでもいい他人の人間観察は今でもやめられないですね。
最近の人間観察でお薦めのスポットは目黒の『果実園 リーベル』、朝から営業してるフルーツパーラーです。
わざわざ早朝から外食でフルーツを食べに来る人って、やっぱその時点でちょっと変でしょ(偏見もありますが・・)
白金のマダムや、すでにリタイアしたであろう紳士などが、なんとも言えないオーラを出しつつ、運が良ければものすごい重い相談話なども聞こえてきます。
同じ朝食でも原宿のパンケーキ屋とは全く違う空気感が最高のスポットです。