原宿について

ご存知の人も多いと思いますが、僕は東京は原宿生まれ・原宿育ちなんですよ。原宿という事を自慢する気もなんもなくね、ホントたまたまここで生まれてここで育った、そんだけの事ですが。
 
ただ、ミュージシャンとしてデビューして以来、プロフィール的にも最初はむしろそれをなるだけ隠してたんですよ。
まあ単純に自宅とかを知られたくないというのもありつつ、やっぱりなんか「俺原宿生まれだぜ!」みたいのって、かっこつけて言ってるように取られるのも嫌だなと。
だからあえて出身地の話しとかになっても「渋谷」とかって濁して言ってたりして、あんまり原宿について触れなかったんですね。
 
で、ここに来てたまたまハセベケンさんという地元出身の渋谷区議会議員の兄ちゃん(あえてこう呼びますが、ほんと議員先生というより、地元の2歳年上の悪ガキ兄ちゃんって感じなので)とかと地元ということで仲良くなって、ハセベさん含めて色々な地元の幼馴染みや商店会の人とかと話してく内に、やっぱり地元を盛り上げる、地元を誇りに思うってすごく大事だなと、そう思ってきたんですよね。
 
で、最近は原宿ということであればむしろ進んで雑誌であれイベントであれ出るようになったんですね。
まあ僕にとっての原宿云々とか言う前に、そもそも東京生まれの人って、ある種『逆の劣等感』みたいのがあって、地方から東京にやってきて活躍する人達がみんな東京で活動しつつも「故郷は、、、」とかって語ったり、「東京に出て来て、、、」とか語ったりするのを見てて、なんかすごく羨ましかったりしてた訳ですよ。
故郷が別にある事への憧れっつーかね。
 
しかも東京ってすごく損な土地で、地方から出て来た人って散々東京に住み・東京で活動し・東京で遊んでんのに、なんかあると「やっぱり東京は冷たい、、、」みたいな事平気で言うでしょ。
これ逆だったらどう?
例えば俺が大阪に住んで活動してたとして、さんざん大阪で仕事とかしときながら、なんかあると「大阪は最低ですよ、、、」とかって言ってたら、むかつくでしょ?
東京ってそういう事を平気で言われる、すごく辛い立場なんですよね。
 
もちろんそれ以上に褒められたり、憧れられたりしてる訳だけど、だからといって「東京人は冷たい」「東京は汚い」みたいに言われるのは、やっぱりそこを故郷としてる人間としては辛い訳ですよね。
そういう損な部分もありつつ、だからといって地元意識がすごくある訳じゃないのが東京な訳ですよ。
 
地方出身のミュージシャンが地元でライブやると盛り上がる、みたいの全然なくて、東京で盛り上がるライブは単純に全国的に売れてるミュージシャンのライブなんですよね。俺が東京出身だから東京でのライブが特別盛り上がるとかそういうのは無いですからね。
特に原宿というのはそういう東京文化のまさに中心部ですから、良くも悪くもまさに『東京らしい』訳ですね。
 
そんな中で、今からその『原宿』『東京』『地元』とかっていうものと真剣に向き合ってみるというのも、ここで生まれた人間としてひとつ面白い行動かなと最近は思ってるんですね。
 
もちろん、だからといって地方での活動をないがしろにする気は全然無いですよ、っていうかむしろ行けるなら以前よりもっと細かく全国各地にツアーで行きたい位ですよ。
ただその後に地元東京・渋谷・原宿に戻って来た時に、やっぱりそこで「おかえりー!!」てなこと言われて、地元の名士から御祝儀の一つももらえるような(結局着地点はそこか!?)、そんな状況にしたいですね。
 
これ実はすごく大事な話でね、同じようにみんながそれぞれの土地を大事に思えば、日本中みんなが日本を大事に思い、世界中みんなが世界を大事に思う訳ですよね。
すごく単純ですが、そういう事じゃないですか。
ちょっと話は飛躍しますが、イラクにボランティアで行って人質になったやつとか見てると正直「??」って思いますよ、いやいや、君がイラクなんか行かなくても、もっと自分のすぐ身の周りの人を助けて、身の回りの事をしっかり解決して、近所でお互い理解しあってけば、そもそもこういう戦争とかって起きないんじゃないの?って。
そういう地元意識、隣人との関係とかで防げる事って沢山あると思うんだよね。
 
なので、僕はそういう行動をまず原宿からで始めたいと思うので、皆さんも自分の街・自分のご近所からで始めてみて下さい。
そしてそこに来た人には「いらっしゃい」と言えて、帰って来た人には「おかえりなさい」と言える、そういうのって素敵じゃない?
それがしっかり出来てればこそ、遠い外国に旅した時に、その土地の人から「いらっしゃい」と温かくされるのが嬉しい訳だからね。