TPO

TPO(まあ正確に言えばTPOを考える事)ってさあ、本当に重要な問題ですよ。人間関係や行動範囲が広がれば広がる程TPOって重要になるでしょ。別に家で一人でいるとか、いつもの仲間といつもの場所にいるなんて時はね、そんなTPOって関係ないでしょ。よっぽどトチ狂った事しない限りさあ、まあいつも通りしてりゃいいですよ。
 
まあTPOっつーのも人各々のセンスですからね、別に場違いな行動をするやつや、タイミングを外した寒いギャグを言うやつがいても、俺自体は関係ない訳ですよ「あいつホントに場の空気読めないよな・・・」と呆れる位でね、別にいいんですよ。
 
しかーし!!なかにはね、その自分の間違ったTPOってものに他人まで巻き込んでしまうやつがいるんですよ、それが困る!!マジで困る。俺の友達にもね、何人かそういうやつが居てホント困るんだよね。例えばね、俺が男友達とみんなで飲んでたとしましょう(というか実話なんだが)、その中に今回の主人公の困ったTPO君がいますよ。彼を便宜上A君と呼びましょう。でね、僕はその飲みの場ですごい面白いギャグとかをくり出す訳ですよ、誰かの発言にツッこんだり、あるいは面白い体験談を身ぶり手ぶり話したりですね、とにかくその会においてすごく俺の話がウケたとしましょう。
 
そして後日、またそのA君と一緒に今後は別のグループと飲んだとしましょう(というか実話なんだが)、でねそこの会の雰囲気っていうのは前回の場とは全然違う訳ですよ、当然メンバーも違えばみんなのノリも違う、まあ一言で言えば空気が違う訳ですよ。そんな中A君はTPOを考えずに「いやー、小宮山ってホント面白いんだよ。ねえ、小宮山この間の話ししてよ!!あのオモロイ話し!!」なんて笑顔で嬉しそうに言って来る訳ですよ。A君に悪気はないんだけどね、彼は俺の事が好きで俺の話も好きで、本当にウケると思ってる。でね、しょうがないからする訳ですよ前の場でウケた話を。しかーし!!全然ウケないの、この会では。そりゃーそうですよ、ウケるウケないなんて流れな訳でしょ。どういうメンバーで、どういう雰囲気で、どういう話の流れかって事でその話がウケるかどうか決まる訳じゃん。そういう流れなしにね、突然「あの話しして!」って言われてしたって、そりゃーウケないっすよ、別に落語のネタやってる訳じゃないんだから。あくまで話の流れで話してるんだからね。そもそもそこがウケるような状況だったら俺から進んで話してるっちゅーの!!
 
という訳でまんまとその場の空気は「その話、そんなに面白いか?」ってノリになってしまい、しまいには「A君はオモシロイって言ってるけど、小宮山君ってそんなオモシロイか?」になってしまったんですよ、いつの間にか『俺=面白くない』の図式が成立しちゃってる訳!! おいーー!!!違うんだって、俺が面白くないんじゃなくて、この話をこの場でさせたAの判断が悪いんだって!!と言いたいのだが、時すでに遅し、俺はすっかり面白くない男・TPOを判断出来てない男になっちゃった訳ですね。
 
これね、TPOのすり替えなんですよ。AのTPOのセンスの悪さというのが、すっかり俺のTPOの様にとられちゃうんですよ、周りには。で結果として『俺=面白くない』になっちゃってるんですよ。恐い恐い
 
僕の周りにはこういうTPOすり替え名人みたいのが割と居ましてね、B君(仮名)という友人の話もついでにしときましょう。僕とB君は昔からの遊び友達でね、まあ色々悪い事とかもしましたよ。で、そいつとまた別のグループの友達の所に遊びに行った訳。まあ僕も遊び友達はいっぱいいる方なんで、学校の友達・飲みに行く友達・仕事の知り合い・昔悪さを一緒にした友達・仲良しグループ・仲悪いグループ(ってそれ友達か??)、まあとにかく色々いる訳ですよ。で、その中には学生時代から夜な夜なクラブに一緒に遊びに行ったりしてた、なんつーの悪友みたいな人達もいる訳ですよ、そいつらはいまだにいわゆるカタギではないような人達ですよ(ま、僕もカタギじゃないんだけど)。
 
その悪友グループの所にBと一緒に遊びに行った訳、Bとそいつらは初対面でね。で、そこでさあBがね「いやー昔は俺らも色々と悪さしたよな小宮山!。○○した事もあったし(一部文字自主規制)、××の時はこんな事もしたし、△△では・・・・」なんつー感じでまあ悪自慢つーか武勇伝を語り始めた訳。でもね、そこのグループからしたら「は?」ってレベルの悪なんですよ、Bの言ってる事は、本人は「自分って悪!」って思ってるんですけど、そいつらにしたら全然可愛いレベルなのね。
 
まあそれでBはすっかり痛いヤツというかね、「はいはいすごいね・・・」って感じになってるんだけどね、その話の節々に俺の名前が出て来る訳ですよ。要はBはね「俺と小宮山はこんな悪い事したんだぞ!!」って自慢してる訳。そうなるとさあ、俺までその呆れられてるプチ悪サイドに入っちゃう訳ですよ、実際は俺は遊びという意味ではこっちの悪グループの方とツルんでたんだけどさあ、すっかりBは俺と小宮山は同じ悪仲間だって言い方な訳。もう俺マジで恥ずかしくてさあ、どっかでツっこみ入れて「いや、こいつらもっと全然悪だからあんまプチ悪をアピールしない方がいいよ!!」って言おうかと思ったよ。最終的にはさあ、それって結局Bだけじゃなく、俺とBがなんか場違いな武勇伝をした2人組っていうカテゴリーになっちゃった訳ですよ。トホホホ
 
まあこういうのってね、例えば彼女がさあ、実はすげー恐いヤクザとかそういうのの前で「うちの彼氏は強いのよ!!すごい悪なのよ!!」って言ってるようなもんでね、彼氏にしてみれば「いいからお前、黙ってろ・・・」って感じですよ。でも結局そのTPOの判断の悪い彼女のせいで、ボコボコにされるのは彼氏な訳でしょ。あるいは大金持ちの前で「うちの父ちゃんは社長だぞ!すごいだろ!!」って自慢してる中小企業の社長の子供とかね。
 
要はね、TPOを勘違いするやつでもね、別に自分の事を言ってる割にはいいんですよ「はいはいお前はすごいよ!」って感じで。ただTPOを勘違いして、人の事を語るやつは困るんですよ。全然ウケなそうな環境で「小宮山はオモシロイですよー!」ってふられたり、本当の悪の前で「こいつは悪いですよー!!」ってふられたり、映画マニアの前で「小宮山は映画すごい詳しいですよー!!」って紹介されたり、職業DJの前で「俺らDJよくやるよな!!」って紹介されたり、コンピュータープログラマーの前で「こいつ相当コンピューター詳しいですよ!!」とか自慢げに紹介されたり。
 
そういう時ね「お前のTPOに俺を巻き込むなーーーっ!!!」と言いたい訳ですよ、僕は。