今年で2回目となるホフディラン秋のドラムまつり、毎回音楽界の強者ドラマーをホフディラン自らが招集。
今回はなんとタブラ奏者のユザーンさんも出場決定!ということで小宮山雄飛とユザーンさんのスペシャル対談(という名の公開打ち合わせw)をお届けします。
渋谷のバーで飲んでたら、雄飛さんが突然やってきたんです。
いや、僕からしたら、バーにいったらユザーン君がいたんだよ(笑)。
雄飛さんはなぜか駄菓子をいっぱい持って現れて。結婚式の引き出物が駄菓子だったんだよ、って言ってましたね。
あーそうだ。エレキコミックのやついくんの結婚式の帰りだったね。極めておつまみの少ないBARだったのでそれがすごく役にたって。
この人は酒のつまみをくれるからいい人だな、というのが雄飛さんの第一印象でした。
僕はユザーンくんの本も読んでましたからね、インドでつぶやく本。
お、本当ですか? あんな内容のない本をどうもすみません。インドからTwitterで書いたことをまとめただけの、トイレに置いておくのにはいいかも、ぐらいの本なんですけど。
あの日も、半分はカレーの話してたもんね。
ユザーンくんはカレーのプロだからね。
いや、雄飛さんはカレーのオーソリティーだって話をよく聞きますよ。
そんなことないけど、今日も1軒行ってきたよ。
どこに行ったんですか?
三田にあるペナントというお店。放課後に慶応の学生さんが使ういわゆる学食的な喫茶店というか、大学の近くにあるちょっとユニークなお店で、ケチャピラという、ケチャップ味のピラフが名物で、さらにそれにドライカレーを混ぜたケチャドラというメニューがあって。カレーとついてる以上、これはやっぱりちょっと食べとかないとと思って。
雄飛さんってすでに次のステップに行っちゃってる感じがありますよね。「最近は学食のカレーとかに凝ってるんだよ」ってこないだもおっしゃってたし。
いや、もう味とかじゃなくさ、そのカレーの中にソウルフードとしてどんな思いが詰まっているんだろうみたいのが気になるわけ(笑)。ケチャドラはもはやカレーとしては成立していないんだけど、慶応生はどんな思いでそれを食べているんだろうと想像しながら食べる。もはや謎の方向だけどね。
僕には絶対たどりつけない境地に達してるな(笑)。そういえば雄飛さんがこの間おすすめしてくれた錦糸町のお店に行ってきましたよ。
あ、アジアカレーハウスね!
すごいですねあそこ! コストパフォーマンスも日本一ぐらいの勢い。あんなに本気で現地の味がするカレー屋もなかなかないですよ。僕の心の中にある、東京のインド料理屋勢力図マップみたいなのが一気に書き変わる感じがしました。
日本なのにバングラデシュ人がバングラデシュ人向けにやってて、日本語がほとんど通じないという。
そういえば僕は今度アルバムを出すんですけど、それを記念して自分のホームページで新コンテンツを作ったんですよ。アルバムに参加してくれたミュージシャンとひたすらカレーを食べに行く、っていう(笑)。予定していた訪問カレー屋を1軒変更して、錦糸町に行くと思いますね。
はははは(笑)。あのお店ディープだからねー。
あ、僕ドラム叩けないけど大丈夫なのかな。
いやいや、いわゆるリズム楽器という意味合いでドラムって言葉を使っているというか。
その解釈、たった今雄飛さんが独断で決めたやつじゃないんですか?
違う違う(笑)。例えばボイスパーカッションでもいいし、いわゆるリズム楽器をドラムの変わりに誰かが演奏するという、つまりうちのドラムの田中ゲンショーさんの代わりを誰かにやってもらう祭りなんですよ。
そっか。へー、前回は7人のドラマーで、今回は6人+タブラ奏者なんですね。お誘いいただいて光栄です。
そう。先日大阪のコヤブソニックでハナレグミとユザーン君のステージを見させてもらいましたが、すごいよかったんですよ。どっちかというと純粋にパーカッションという感覚でいたから。
ありがとうございます。そういえば、あの日はタブラでメロディを出すアプローチをかなりしていたような気がしますね。たしかに打楽器っぽくない演奏だったかも。
ドラムまつりってみんな当日に来て合わせるという感じで、そんなに事前のリハーサルとかしないんだけど、こないだのコヤブソニックでのユザーン君のステージ見て、むしろタブラがセッティングとか一番大変なんじゃないかと心配が……。
そうですね、セッティングはかなり大変ですよ。時間もかかりますね。あと、音量がものすごく小さい。それをマイクの力で可能な限り増幅してライブをやっている感じです。
そう、だから手首のスナップを効かせて演奏するような打楽器とはやはり音量が違いますよね。
あのステージを見ておいてよかった。他のドラマーとはいつも通りバンドセットで演奏するけどユザーン君とはタブラに寄せた編成でいこうかなと。僕とワタナベくんとユザーン君だけでやるみたいな。
それは楽しそうですね。
そもそもタブラっていつ始めたの?
18歳の時。実家の近所にあるデパートに売ってたんですよ。
いやいや、、、売ってないでしょ。普通、近所のデパートには(笑)。
今考えるとそうなんですけどね。丸広百貨店っていう、川越を代表する百貨店の催事場で手に入れました。ちょうどジャンベが流行ってたころで、部屋に太鼓を置くブームみたいのがあったんですよ。タブラはジャンベより小さいから、インテリアにちょうどいいかなと思って購入した感じです。
え、ドラムとかはやってないの?
やってないですね。
他の打楽器は?
全くやってないです。ギターをちょっとだけ弾いたとか、吹奏楽部に入ってユーフォニウムっていうのを少し吹いていたぐらいで。
へー、基本的にはいきなりタブラなんだね。僕も昔からいわゆるインド的なあの感じの音が好きで、自分のユーヒーズというソロのバンドの曲にもタブラ入ってるけど。音色が好きなだけで実際はどういうものなのか、どういう奏法なのかは知らなかったんだよね。
僕も最初はそうでしたよ。買ってからしばらくしても、どんな音がする楽器なのかすら知らなかった。
僕がTwitterに「ドラム叩けないけどドラム祭りに出演して大丈夫かな」って書いたら、石川さんが「僕も去年ドラム叩けなくて出たけどポカリと殴られることはなかったよ」って返事をくれたんだよな。なんであれがナタリーニュースになったんでしょうね(笑)。
そうだね、最初ホフのドラムまつりの記事を書いてくれてると思って見てたら、途中からホフ抜きで石川さんとユザーンくんの会話が主役になってるという(笑)。面白かったねあれ。
ちなみに昨年はステージにドラム2台と石川さんのパーカションセット、さらに客席にドラム1台で、最後のアンコールでは全員で演奏というすごいカオスな状況で終了という。
それはすごいですね。
今回のユザーンくんには石川さん的なドラムではないポジションでやってもらおうと思っているんだけど。
そうなんですか。
で……、どうやってやりますか?
僕のほうが聞きたいですよ(笑)。まず、ステージの組み方とかを開場のWWWに相談しないとかもですね。
そういえば、WWWってけっこう蚊がいない?
いや意識したことないですけど、デング熱もその時期ならもう落ち着いてるから大丈夫じゃないかな。
うーん。カレーが食べたくなる感じでしょうか? 僕のライブを見ると帰りにカレーを食べたくなる、ってよく言われますよ。
とにかく楽しみだね。
需要ありますかね(笑)。
インタビュー 山際貴 / 写真 SWING JOE