ホフディラン×フラワーカンパニーズ グレートマエカワ 特別対談

ホフディラン×フラワーカンパニーズ グレートマエカワ 特別対談

ホフディランデビュー17年目にして、初めて行われることになった2人っきりのツアー「ホ二人旅2○12」。その発案者はデビュー以来の盟友フラワーカンパニーズのグレートマエカワさんだった!?
インストアやラジオ生ライブなど限定的には行われていたホフ2人のライブが、初めて全国ツアーとして行われることになったきっかけをくれたのは実はグレートさんだった! ホフとフラカン、音楽界をサーヴァイブし続ける両者だから分かり合える苦労話、お互いのツアーの舞台裏、さらには出会いや失敗談などなど、本邦初公開のホフグレ・スペシャル対談。 ツアーの強者フラカンからのアドバイスも得て、さらに盛り上がってるホフディラン2人による「ホ二人旅2○12」をお楽しみに!

ーまずはじめにホフディランとフラワーカンパニーズの出会いについて聞かせてください

g:
最初に出会ったのってどこだと思う?
w:
意外とテレビだったりするのかな
g:
俺はスペースシャワーTVのイベントで、野音で一緒だった時かなって思うんだけど
y:
清志郎さんと一緒に出た時?
g:
いや、その前で、ミッシェルとかサニーデイ、山崎くん、あとCocco、カジくんかな?それとホフと俺たちみたいな
y:
清志郎さんと最後に雨上がりやった時あるでしょ?
g:
あれの2ヶ月くらい前の野音。97年のスイートラブシャワーかな
y:
2ヶ月前にも野音でやってるんだ?じゃあ、カジくんと僕らが一緒に出た時かな
g:
多分、そんな感じだったと思う。それが初めてだったような気がするけど、多分ほとんどしゃべってなくて
y:
その前に下北とかでは会ってない?
g:
いや、その頃は意外に俺らも横のつながりがなかった時だったから、それはないかな
w:
スペシャのセンスオブナンセンスって番組に出させてもらった時に、妙によそよそしかった記憶があるんだけど。それまでにステージでは会ってたのかな?
y:
じゃあ、センスオブナンセンスが初めてってこと?
g:
そうかもしれない!センスのが早いから。ホフのデビューっていつだっけ?
y:
僕らは96年7月がメジャーデビューで、スペシャは96年の春くらいから出させてもらってます
g:
じゃあ、まぁ、その辺だね
y:
はっきりはわかんないんだよね
g:
デビューの時くらいだとは思うんだけど。当時はまだよそよそしい感じがあったしね
w:
たしかに初対面の時はよそよそしかった気がする
y:
いや、初対面の時はよそよそしくて当たり前でしょ!

ーそのよそよそしさがなくなって、お互いに距離が近くなったなってタイミングってありますか?

w:
大阪野音とかでもけっこう一緒になってて、野音で仲良くなった気はするね
g:
それこそ清志郎さんと雨上がりをやった時のイベントでだけど、ベイビーが清志郎さんにギターにサイン貰ってたでしょ?あの時に、“やるなこの人!”って、フラカンのメンバーの中でなったんだよね
y:
ワタナベくんってそういうとこがあるからね。この人だ!って時はがんがん行く
g:
そこで“いいなぁ!”って思いながら、なんか打ち解けた感は持てたかな

ー出会った当初、ホフから見たフラカンってどんな印象でしたか?

w:
僕らはキャリアなくデビューして割と有名になっちゃっみたいなところがあるんだけど、フラカンは名古屋時代のキャリアもあって、もうバリバリライブをやっててすごかったです。あと音もデカかったし
g:
90年代ってライブの音がデカくなかった?周りのバンドも。ミッシェルとか
w:
でも、フラカンは見た時もだけど、一緒に出た時が本当にすごくて、ステージ降りたら耳がよく聴こえなくなるくらいだった
y:
僕は変わった服を着てる人たちだなぁってずっと思ってました(笑)。もう21世紀になろうって時に、なんでセーラー服みたいのを着てるんだろうかって(一同爆笑)
あとオーバーオールとか、あれはマエカワくんだけ?
g:
オーバーオールは俺だけだったね
w:
常に着てた?
g:
そうだね。だいたい俺はオーバーオールか、その頃は髪が長かったからサイケっぽい柄の服とか着てたかな
y:
HEY!HEY!HEY!に出た時はセーラー?
g:
セーラーだった。ちょうどその時に出た曲のPVの衣装だったからそのまま出たんだけど、まぁ、ファンからは不評で
w:
でも、やっぱ松っちゃんはグレートマエカワに食いついてたね。あの時は松っちゃんが4人の中で誰に興味持つんだろうって見てたんだけど
y:
やっぱ面白い服装をしてる人だって思ったんだろうね(笑)

ーマエカワさんから見たホフディランはどんな感じでしたか?

g:
ホフっていろいろトントン拍子にいって、武道館も早めにやってたでしょ?だから、羨ましいなって。今はそんなにないけど、当時はまだ周りのバンドが人気があったり、カッコいいアルバム作ったりしてると、悔しいな、俺らダメだなって感じたりしてたから
w:
逆にこっちもフラカンはメディアの人に好かれてるなぁって羨ましかったですよ。なんかフラカン好きのメディアってのが結構あって、なんでなんだろうって!
g:
それはお互い!でも、そういうのあるよね、俺もホフに思ってたもん!
y:
ワタナベくんってそういうの気にしてるからね。あいつの方が贔屓されてるって!
w:
まぁ、フラカンのおかげで対談企画に呼ばれたりして、ありがたかったのもあるけど
y:
でも、フラカンが好きな人って、なんていうか良い意味で狂信的でしょ。うちのスタッフにもひとり大大ファンがいるんだけど「そんな毎月フラカンばっか行かなくていいんじゃない?」って思うくらい(笑)、ああいう求心力はほんとすごいと思う
g:
ありがたい話しです
y:
だって野音をずっーと埋めるってなかなか難しいでしょ?
g:
まぁ、俺らも波があったりはするんだけどね
y:
波あったんだ?
g:
やっぱメジャーやめた時がすごかったね。相当落ちたかな。でも、元々地道にやっていたからなんとかね

ー実際にメジャーからインディーズになって、いろいろ状況が変わったと思うんですが

g:
メジャーの時ってスタッフとかもたくさんいたわけじゃないですか。でも、インディーズになってお金とかも払えないし、1回4人でやろうかって
w:
ステージ上ってことでなく、スタッフとかも抜きで?
g:
そう、移動とかも全部。どれくらい儲かるかわからなかったけど、1回やってみようかて。やってみて、しんどかったらやめようって。でも、4人でやったら意外に楽しかったんだよ。いままでマネージャーとかスタッフがいて、メンバー同士もそんなに喋らなくなったりしてたんだけど、4人だとどうしてもメンバー同士でこうしようとか、いろいろ話さなきゃ行けないし。そうなるといろいろ面白くて。もちろん動員はすごい少ない時とかもあったりしたんだけど。でも、そういう時に限っていいライブやっちゃったりして

ー物販とかも全部やられてたんですよね?

g:
物販もメジャーの時とかは出るのはすごい嫌だった。当時ってスカコアのバンドとかの人たちはよく物販出てたりしてたけど
y:
たしかにスカコア、メロコアのバンドとかは出てたね
g:
そういうのがちょっと羨ましい反面、俺たちはやらないぞ!みたいな変なプライドもあって。でも、4人で回るとなると、やらざるをえなくなって。実際にやってみるとファンの人から「ありがとうございました」ってダイレクトに声を聞けて、すごい良かった。まだ俺たちって期待されてるんだって

ーそこからまたメジャーデビューとなるんですが、どんな感じで動いていったんでしょうか

g:
いろいろツテもないわけじゃなくて、昔のイベンターさんとか媒体とかも知り合いにいたから、いろんな人に協力してもらいながら地道にやっていったかな
y:
それで完璧に昔に戻したっていうか、それこそ前よりもファン増やしたじゃないですか?これって多少きっかけとかあったんですか?
g:
あるある。それこそベイビーもよく出てるセッチュー(=SET YOU FREE)の千葉くんって人がいて、面識もなかったんだけど、知り合いのツテでフラカンいいよって聞いたみたいで、実際に見てくれて。それで気に入ってくれたみたいで、銀杏BOYZとかガガガSPとかサンボマスターとかが出てるようなイベントに、フラカンも出したいって誘ってくれて。で、何回か出るようになって、そういうところのファンがフラカンを知ってくれて
y:
きっかけはセッチューなんだ
g:
そうだね。自分らでやるようになった中で、一番デカかったかも。そこから、いろんな流れがあって、今に至ってるかもね
w:
その頃、しばらく会わなかったけど、セッチューで再会したしね。その時はフラカンはもうキングオブライブって雰囲気だったね。熊本とか宮崎みたいな地方で一緒だったから、まだキングオブライブになりかける途中だったかな。もう90年代の時よりも盛り上がってはいたんだけど、まだ完全にキングオブライブではなかったかもね
g:
いや、今も別にキングオブライブじゃないから!(笑)、今なんとなく流してたけど。自分では違うともそうだねとも言えないし
y:
キングオブライブって!そんな言われ方、初めて聞いたから!
g:
人が多かったからそう見えたんでしょ
y:
なんか、すごい仲良いはずなのに、ここまでワタナベくんとマエカワくんの話しが噛み合わないのもすごいね
w:
いや、キングオブライブだと思うけどね
w&g:
RCサクセションの流れからね

ーやっぱりフラカンでのそういった経験があってのホフへの二人ツアーの提案だったんでしょうか?

g:
もちろんですよ、それは。一応、自分らでやってきたものがあるからね
y:
ちなみに僕らはさすがに2人っきりじゃないですよ、マネージャーとかは行きますよ(笑)。想像するだけで大変なんで、ワタナベくんと2人きりっていうのは(笑)。まずモーニングコールから始めるみたいな。「これでギャラは一緒なんです!」みたいな海老一染之助・染太郎っぽい芸風になっちゃう(一同爆笑)
g:
まぁ、形は違うけどさ。それこそ、俺がなんでホフディランがいいなって思ってるかっていうと、ホフが休止してる時とかにワタナベイビーがソロでやってるのを見たり、雄飛のBANK$も1回見たことがあって、両方かっこよかったんだけど、4〜5年前に高円寺ハイで対バンやった時に、横で見てて、やっぱりホフの2人の絡み、しゃべりの絡みもハモリの絡みも含めて、2人いると全然違うなって、1+1が2じゃないなって感じの、ぜんぜん別の次元、すごいなって思って。で、こないだのイベント(ホフディラン春のベース祭り)があってやっぱりすごいなって。で、イベントの打ち上げで2人で全国回ってみたらって言ったんだよね!
y:
それこそワタナベくんもやってるけどね
g:
ベイビーもそうだけど、ベイビーも一人で出来てるんだけど、2人でやればって!2人の歌があって、楽器もギターと鍵盤あればできるんじゃん!って思って。ドラムとベースなわけじゃないし(一同爆笑)

ー経験上でのアドバイスなんかありますか?

w:
単に2人ってのもあるけど、4人では音楽が成立してるじゃん。ギターとキーボードだけってのがどうなのかなって。そこは関係ねえってシリを叩いてもらったわけだけど
g:
俺はベースって楽器で、世間からいらないっていう風潮があるじゃん。イヤホンで聞いたり、電話とかでも音楽が聞けたりして、ベースとドラムのキックって聞こえないじゃない?今はボーカル、アコギとドラムだけのユニットとかも多くて、まぁ、ベースなりドラムがいたほうがいいと思うんだけど、これだけで歌の良さって伝わるじゃない
y:
本当は楽器ももっと出来れば、ギターとキーボードだけじゃなくて、ギターとドラムだったり、ベースとドラムなんかでも面白いんだろうけど、今回は初めての二人旅でそこまではまだ
w:
今回がよこればフラカンみたいに何回かまわって、新機軸をね
g:
たぶん、まだやってないから、どうしよう、どうなるんだろうって思ってるんだろうけど、回っているうちにあれやろう、これやろうって出てくると思う
y:
ただ、一番怖いのは3回目くらいで、やっぱバンドでやろうって!(笑)ホ二人旅って言いながらやっぱ無理だったって!ベース呼ぼう!ってなったりして(一同爆笑)
w:
無理ってのはないかもだけど、そろそろ飽きて来てバンドもいいね!ってなるかもしれないね
g:
でも、これはきっと絶対違う形が出てくるだろうね。現時点でもいろいろアイデアがあるみたいだし
y:
楽しいことはできそうですよね
g:
でも、まずは2人だけで回ってやれば、ファン目線では嬉しいなって思うよ絶対。2人のやりとりとハーモーニーでホフディランだなって思ってるから。俺が思うくらいだから、ずっと応援してくれているファンは絶対喜んでくれるだろうね
y:
これで全然喜ばれなかったら悲しいですけどね(笑)
g:
それこそ最近は東京とか大阪が多かったわけでしょ?今回全国回って、地方とかに行った時に思うことあると思うよ。行ってよかったって
w:
ほんと十年ぶりのところとか、今回初のところもいろいろあるしね
y:
でも、実際行ってみたら「(お客さんから)あのまんま思い出にしとけばよかった!」って思われたりしてね(笑)。「やっと来たと思ったのにこんなんだったっけ?CDだけ聞いてればよかった」って思われたら嫌だよねー(笑)。がんばらないと
w:
終わってからまた対談やって、どうだったって。2人の顔見てもらって
y:
何てことやらせたんだ!さんざんだった!って
g:
お前が全国回れって言っただろって!言われたりしてね

ー自分たちで全国を回っていての失敗談なんかはありますか?

g:
つい、2〜3週間前なんだけど、タイヤのネジが3本折れて大変だったよ。本当に大惨事になるところだった
y:
昔はそんなこと考えなかったじゃない、基本的にプレイヤーだったから。今も別に自分が運転はしてないんだけど、もし移動車が事故ったりしたら死なないまでも今日のライブが飛ぶってことが全然あるんだなと思うと、自分の状態にももちろん気を使うけど、それ以前にスタッフに「前の日ちゃんと寝ておいて!」とか、そういうレベルでの指示をするようになったよね
g:
そう!ほんとにそう。飲み過ぎんな!とかね
w:
雄飛は最近ほんとそういうことを言うようになったよね。いやー、雄飛大人になったんだなって
y:
いや、でもほんとそんなですよ
g:
考えざるを得なくなるね
w:
実際、うちのマネージャーが高速道路で間違ってバックギア入れて車壊しちゃったことがあってね(笑)
y:
そうそう(笑)、それでギアが完全に壊れちゃって高速道路走ってる間にバック出来なくなっちゃって。映画の『SPEED』みたいな感じで、止まったら爆発するぞ!じゃないけど(一同爆笑)、車庫入れとかも絶対バック出来ないから1回で切り返ししないといけなくて(笑)、あれは大変だった
g:
俺らも7〜8年前にギアが4速しか入らなくなったことがあって。ガソリンスタンドとか入ってもみんなで押して、4速発進したり。都内の一般道に降りてからも、止まったら駄目だから信号とかもゆっくりいって、最後はみんなで押して車庫入れみたいな(笑)
y:
そういうことも出てくるよね。もう演奏とかの注意じゃなくて、機材とか安全そのものの管理があるからね
g:
でも、それが面白いし、面白がれたからよかった。物販から何から全部、俺がやってたんだけど、性に合ってたんだろうね
y:
そういう部分を面白がれないとね。失敗とかもあとで笑い話にできればいいけど。いろいろ上手く回らなくったりして喧嘩別れとかもあるからね、気をつけないと
g:
実際そういう人もいるからね。ツアーが多過ぎて、年間100本くらいライブやったりして、全国ツアーのあとで解散っていうバンドも沢山知ってるから…

ー逆にメンバーだけで回るからこその楽しみとかってありますか?

g:
ベイビーは興味はないけど、それこそ各地で美味しい食べ物とか食べたりね
w:
今回食べれるのかな?
y:
いや、食べさせて下さいよ!
w:
5〜6人いるとみんな希望が違うからね。早く帰りたい人がいたりして
g:
まぁ、メンバーだけだと融通が利くからね。うちらも早く帰りたいってメンバーがいたりもするけど、そこは多数決で決めたりしてね。ただ、ボーカリスト優先ではあるけど

ー最後にホフファンに一言お願いします

g:
今回、会場によってはホフをずっと見てないって人も多いんじゃない?そういう久しぶりの人はもちろん楽しみだろうし、よく見てるって人も2人っきりのホフってほとんどないと思うから、思いっきり楽しんで下さい!俺もぜひ見に行きたいと思ってるんで!
g:
今日はほんとありがとうございました!