ビジネスか文化か

この間、N.Yに行った時、空港から市内までの道がものすごく混んでたんですよ。
一応マンハッタンまでは着いたのだが、マンハッタンの中がどうにも動かない。で、タクシーの運転手さんも「N.Yの渋滞はホントにひどい!」「特に昨日・今日はものすごい。クレイジーだ!」とか言ってる訳ですよ。
 
ちょうど橋を渡った高架から降りる辺りで大渋滞で、車が止まってたんですが、ふと横を見るとビルの2階にあるフィットネスが見えたんですね。
平日の昼なのに、沢山のビジネスマン(と思われる人種)がフィットネスクラブのジョギングマシーンで走ってるんですよ。
そしてその横ではキャリアウーマン(と思われる人種)がせっせとサイクリングマシーンをこいでいる。
 
なんかね、その光景を見て「なんか変だぞ、こりゃ!?」って思ってしまったんですよ。
だって、こっちは車が大渋滞で止まってるんですよ、でもその横でランニングマシーンで走ってるやつらが沢山いる。
ほれ、これ変でしょ?
こっちは進むべきなのに止まってる、向こうは一生懸命走ってるのに進んでないんですよ。
 
そもそもなぜ道路が大渋滞になるかといったら、みんなが車を使うからですよね、みんなが自分の足で歩いたり走ったりして車を使わなかったら、渋滞にはならない。
要はみんなが歩かないで車を使うせいで渋滞になってる横で、同じ人間がマシーンの上で一生懸命走ってる訳ですよ。
 
「てか、君達が最初から車使わなかったら、渋滞にもならないし、そしたらマシーンの上で運動不足解消する必要もないんじゃない??」って思った訳ですよ。
車に乗ってフィットネスクラブに行き、そこでマシーンの上で走ってるっていう矛盾ですよね、だったら最初から歩けよ!っていう。
(もちろんそこのフィットネスクラブにいた人達が車で来てるかどうかは知りませんが、大きな意味で言うとそういう世界ですよね)
 
そう考えると、人ってホントおかしいですよね。歩かないで済むように車を発明して、そうやって運動不足になったら今度は歩くためにジョギングマシーンを開発するっていう。それじゃプラマイ0じゃねーか?と。
 
これってさ、結局ビジネスだと思うんですよ。
「車は素晴らしいです!楽です!」って国民に車を買わせて、「どんどん美味しい物を食べましょう!」って散々色々なものを食わせておいて、今度は「脂肪の取り過ぎ、運動不足の人は、フィットネスクラブに入って運動しましょう!」って、またビジネスをする。
これ、まさにアメリカ的な商売のありかただと思うんですよ。
 
最近日本でもフィットネスクラブが流行ってますが、僕が小学生位の時ってそんなにフィットネスクラブってなかったですよね。ここ10年〜15年位で一気に一般化して来ましたよね。
でも、すごく大袈裟に言うと、そもそも日本人ってそんな太ってなかったと思うんですよ。
かなり古くにさかのぼれば、明治時代に西洋人が「日本人も肉を食べろ!!」って肉食を広めた訳ですよね。それまではあんま肉食じゃなかった訳で、おそらくそもそも太りようもなかったと思うんですよ。
そこへ西洋人がやってきて、肉を食え!と言い始めた。
そしていづれ車だなんだもどんどん持ち込んで来て、日本人のライフスタイルそのものをかなり変えて行った。
そしてここへ来て、今度は脂肪の撮り過ぎはいけないと、フィットネスだなんだ言ってまた僕らの生活を変えようとしてる。
 
アメリカ人が勝手に肥満になったり運動したりすんのはいいけど、そうやって他の国の文化まで侵してくっていうのが、おそらく最近の戦争なんかで根底にある問題だと思うんですよ。
 
でもごくごく簡単に考えたら、これ全部ビジネスですよね。
文化でもなんでもない、ただのビジネスの話。