修学旅行

ここんとこ夢や眠りの話が多いですが、僕が一番多く見る夢で、一番好きな夢でもあるのは『修学旅行』の夢です。
なぜだか分らないけど、修学旅行の夢を見る時、本当にハッピーですね。
 
クラスあるいは学年全体で同じ旅館とかに泊まって、あっちの部屋こっちの部屋を行き来して騒いだり、先生のいるフロアを避けてこっそり移動したり、いつも学校では話さない友達となぜかこのタイミングだけでは妙に仲良くなったり、それこそ同じ部屋で寝泊まりしたり。
そんな修学旅行の夢を見てる時って、ホント一番幸せなんですよ。
 
思えば僕は友達と旅行に行く事が少なかった。高校卒業の時も、多少セミプロ的に音楽活動を始めてたから、みんなが卒業旅行に行ってる中、東京で音楽の作業をしてた。
大学卒業の時も、人によっては1カ月以上にわたって卒業旅行してたやつなんかもいたけど、僕は在学中から既にユウヒーズの『ユウヒビール』のレコーディングが始まってて、卒業旅行というものは結局行った事がない。
 
その後は皆さんもご存知のとおり、海外旅行といっても大抵一人旅だったから、団体旅行・グループ旅行というものにほとんど縁がなかった。
もちろんミュージシャンになってから全国にツアーは行くようにはなったけど、やっぱりそれは友達と純粋に旅行で行くのとでは全く意味が違うでしょ。
 
そんな訳で僕には団体旅行・グループ旅行に対する憧れというか、同い年の友達に比べて自分が経験してない事としてすごく特別な想いがある。
おそらくそれが唯一参加した団体旅行である『修学旅行』という形で夢に出てくるんじゃないかと思う。
 
そんなに行きたいならみんなで旅行企画して行けばいいじゃん!と思うかもしれないけど、なかなかみんなのスケジュールを合わせて純粋な(=仕事抜きの)旅行に行くというのは今となっては難しいものだし、そもそもそうやって企画した旅行というのは、なんとなく面白みに欠ける気がする。
要は、見張りの先生が居る中で、制限や門限をなんとかかいくぐって抜け出して街へ出て食べたラーメンの味と、今俺がラーメンツアーを企画して友達と佐野にでも行って食べるラーメンの味とでは、全く違う訳ですね。
 
卒業旅行にしたって、付き添いの先生がいないまでも、確実に根底にはなんとなく子供だけで旅行することの『悪い事してる感』『ちょっと大人になった感』みたいのがすごくある訳で、それは今どんなに良い旅行をしても得られないものだと思う。
 
一昔前のTV番組みたく、友人と二人でヒッチハイクで大陸横断くらいしたら、それはそれですごい経験になるだろうけど、それにはかなりの危険が伴う訳で。修学旅行先の京都で夜中に先生に見つかる危険と比べて、あまりにリスクが大き過ぎる。
逆に言えば、修学旅行で夜中に部屋を抜け出して友達と出かけた、あの気持ち・あの興奮は、ヒッチハイクでイラク横断位しないと得られない訳だ。昔だったらベランダづたいにすぐ横の部屋にこっそり行っただけで、あれだけ興奮したのに、今ではヒッチハイクで中近東まで行かなくちゃいけないというのは、実に悲しい事ですね。
 
そして僕はもちろんそんな危険なことは全くする気もないので、毎晩「今日も修学旅行の夢見れたらいいなあー」なんて想いながら眠りについてる訳です。でもそれはそれで結構幸せなんだよ、ほんと。けっこうささいでしょ、俺の夢って。