SCHOOL OF ROCK

どんな世界でも、よくまとまってるチームというのは、個人個人が自分の『重要性と役割』をちゃんと認識してるように思いますね。
バンドでもそうだし、お笑いでもスポーツチームでも、あるいは夫婦とか家族でもね。各々の人がその集団に自分が所属している事の『重要性』をちゃんと分りながら、その中での自分の『役割』を自覚してると思うんですよ。
みんなで行動する時ってこれすごく大切でしょ。
バンドとかホントそうでね、例えばBANK$サポートベースのUMUいるでしょ、そうそうあの髭の人です。昔はもっと平面的なお面みたいな顔してた人、最近やっと三次元の世界にやってきた。
僕にしてみるとUMUがバンドにいる事はすごく大きいんですよ、昔から知り合いだしすごくやりやすいし。だからそれをUMUに伝えないといけないんですよね、キミはこのバンドにとって『重要』なんだ!!と、キミは『最高』なんだ!と、まあ宗教の勧誘みたいなもんですよ。。。
やっぱりそれを本人が分らないと、うまく行かないですよね、サポートってことでなんとなくバイト的に関わられても絶対良いグルーブは出ない、本人が自分の『重要性』をちゃんと自覚して関わってくれるっていうのすごく大切なのね。
そうやってUMUが「よっしゃー!俺はBANK$の要(かなめ)なんだ!!こりゃーもっとBANK$をすごいものにしてやるぞー!!」と、そうなってくれればみんな俄然ノってくる訳ですよね。
しかしそこで重要になってくるのが『役割』なんですよ。
UMUがその勢いで「よっしゃー!じゃー俺がボーカルになって歌いまくったるぞー!!」となりますと、ちょっと違ってくるでしょ。(いや、UMUも歌はうまいよ、ホントにホントに。)
まあそんな突拍子もないことは思わないまでも、例えば逆に「じゃあ俺はひっそりこっそり雄飛君を支えよう!」なんて思われてもそれもやっぱ違う訳ですよ、むしろUMUにガツンガツン行って欲しかったりする訳でしょ。
そういう意味でUMUが自分の一番の『役割』のとこにピンポイントでハマった時に、チームとしてほんと強くなるんですよね。(ちなみに、話の例えとしてUMUを出しただけで、むしろUMUとの関係はバッチリうまく行ってますよ・・。)
そういうチームとしての個人の『重要性と役割』ってほんと大事。べつにバンドだけじゃありませんというか、ごく一般生活とかこの世界全体がそうだと言っても過言じゃないよね。
「俺なんかどうだっていい、、、」じゃ絶対駄目だし、だからといってみんなが「俺こそ主役だ!」とか逆に「僕は陰から、、、」みたいな事になるのもちょっと違う。
良い例で言うと、プロレスってそこがすごくうまく出来てて、もちろんいわゆる『ヒーロー』的な立ち位置に主役がいる訳ですが、それと戦う『悪役』がいたり、『ライバル』がいたり、そういう試合の前に会場を温めておく『前座』がいたり、それを盛り上げる『司会』がいたり、それを支える『大御所』がいたり、それを伝える『媒体』がいたり、さらにそれを広げる『ファン』がいたり、、、。
パっと見はもちろん主役が一番目立ってて重要に見えるんですが、実はそういう関わってる全部の人が『役割』が違うだけで全員同じように『重要』なんですよね。
これホントどっちの方が上とか全然なくてね、各々がその『役割』にしっかりいないと成り立たないのね。『悪役』が『ヒーロー』になろうとしちゃ駄目ってだけじゃなくね、『前座』が『ファン』になっても駄目だしね(前座とはいえプロなんだから、それがファンと同じになっちゃ駄目だろっていう)、『ヒーロー』が気をきかせて『司会』までやっちゃうとかも駄目なんですよ、ヒーローはどんな事があってもヒーローとしての立場をつらぬかないと駄目なんですよ。そうやって、どっちが上下ということではなく、それぞれがそこでのはっきりした『役割』のとこにいないと駄目なんだよね。映画『SCHOOL OF ROCK』で先生役のジャック・ブラックが、生徒の一人一人にバンドメンバーとしての役割を与えるとこで、最後に残ってた女の子に「じゃあ、キミ達はグルーピーの役」って言うのがすごく面白くて、あれってもちろん「あたし達グルーピーかい!!」っていうギャグでありつつ、実際はグルーピーまで含めた上でロックの大きなチームが成り立ってんだぜ!っていう事なんだよね。
あの映画の一番面白いとこってそこで、今までのロック映画って単純に一人のヒーローの物語りだったんですよね、プリンスのパープルレインにしても、エミネムの8マイルにしても(たぶん、見てないけど、、、っていい加減だな!)、ブルースブラザーズにしても。もちろん色んな出演者や周りの要素(それこそ敵とか仲間とか)はありつつも、それはあくまで映画としての役割であって、基本的なとこでは一人(ブルースブラザースは一組)の主人公がいかに成功するか、いかに上り詰めるかっていう話しでしょ。
でもSCHOOL OF ROCKは、もちろん主人公はジャック・ブラックなんだけど、むしろ描いているのは大きな意味でいかにロックというものが作られるかって話しで、演奏者はもちろん照明さんから衣装さん、セキュリティーから、グルーピーにいたるまで、それをクラスみんなで作ることで一つのショーが出来るんだっていうとこなんですよね。
決して、ジャック・ブラックがすげーロックスターになるお話じゃなくて、みんなでロックのショーを作るためのチームワークの話なんだよね。
しかしね、現実問題では意外とこれって大変でね、なかなかそうはいかないでしょ。
でも、たぶん僕が今一番やりたいことは、きっとこのSCHOOL OF ROCKを作る事だと思いますね。色んな役割をみんなでしっかり背負いながら、一つの大きなショーを作る。
あえて言わなくても、活躍してる人達ってバンドでも洋服ブランドでも役者さんでも、これをホントしっかりやってるからね。パっと見は、アーティストだったりデザイナーだったりの主役1人だけが目立ってるように見えるけど、実際はしっかりしたチームとしてそれこそお客さんまでがちゃんと機能してる。
そこで初めてミラクルが起きるんですよね!
ということで、これからはSCHOOL OF ROCKしたいですね、みんなで!
俺は俺の役割をまっとうしますが、それだけじゃ絶対だめで、関わってくれる人みんなが各々の役割をしっかりやることで、一つの大きなROCKが出来上がる!!
という訳で、皆さんはグルーピーの役、ひとつよろしく!!