君は物から不思議なテレパシーを感じた事はありませんか?
 
僕はよく『別れ』の信号を物から受け取ります、ビビビビビ!!!。それはどういう事かと言いますと、僕はまあ物をよく失くす(なくす)のですね、失くすと言っても必ずしも完璧に失くなってる訳でもなくて、まあ要するに見付からなくなったりする訳だね。それはもちろん誰にでもあると思うんだけど、部屋にあったはずの物が見当たらなくなった時いつもふと思い出すのは「そういえば、あれって失くなりそうだったよな・・・」って事なんだよね。何が言いたいかっていうとね、つまりその物が失くなる以前に僕に「きっとあなたとはこれでお別れです・・・・さようなら・・」っていう信号を送ってたのを僕は感づいていたって事なんだよ。
 
いつもそう、失くなる物って必ずそれ以前の段階でちょっと分かってるんだよね「なんかこれ失くなりそう・・・」ってね。例えば電車の切符とかでも失くす時って必ず自分でズボンのポケットに入れながら「なんかここに入れておいたら途中で落としたりして失くなりそうだなあ・・・」とか思いながらもなぜかそのままポケットに入れてしまう、そして着いた駅で「ああ・・やっぱり失くなった」とかって思う訳。だったら最初から失くならない様にすればいいじゃんか!!という御意見もございましょうが、そういう事ではないんだよね、それが出来るのなら最初から何も失くさないでしょ。「失くなりそう」って分かっててもついのままの状態にしてしまう、だから失くなる。結局そういう運命なんだねそいつと僕は。
 
俺家で物失くす時って絶対いつもそうだよ、失くした瞬間に気付く訳「ああ、やっぱりあの時の信号はさよならって言ってたんだ・・・」ってね、不思議なくらいそう感じるから逆に物を失くしても全然焦ったりしないですね。そのかわりたまにそういう信号を全く感じなかったのに突如失くなってしまった物はもう必死で探すからね「どうして失くなったんだ!!どこだ!どこだ!」っちゅー感じにね。
これは人間関係においても同じだね、やっぱり別れて行く(別に男女という意味だけじゃなくね)人っていうのはやっぱどっかでそういう「さようなら」っていう信号を発している。表面的にはすっごいうまく行ってるんだけどなんか妙な所でその前兆が現れる。例えばその人からもらった写真がまず失なったり、ここぞ!というタイミングの時になぜかうまくいかなかったり、それで「なんか変だなあ・・・」みたいに思っているとやっぱり別れが訪れる。後にして思えば「そうか、あん時のはそういう信号だったのか・・・」って妙に納得してしまう。そんなのはよくありますね。逆にどんなに離れていようとも、どんなに今現在仲が悪かろうとも「あいつと俺はつながってるからね」って感じる人っていうのは絶対またつながる、つまり「さようなら」の信号を送っていない人とはやっぱりさようならにはならないんだよね。まあさっきも言ったようにそういう信号を全く感じていなかったのに突如『別れ』てしまう場合もあるけどね、そん時はやっぱ「なんで?!」って事になるよね。
 
しかししかし、失くしたと言ってもそれは見当たらなくなったという事だからね、逆に言えば本気で探せばもしかしたらいつかまた見つけられるかもしれない。人で言うならばもしかしたらまた巡り会う事ができるかもしれないという事だよね。そして一度そうやって予想通りの『別れ』を経験しながら今度予想さえしなかった『再会』をする時っていうのは、実は最初の運命的な『別れ』よりさらに運命的な『つながり』だと思うんだよね。それはさっき言った「あいつと俺はつながってるからね」っていうつながり以上のもっとすっごい『つながり』だと思うのですよ、だって一度『別れた』人とまた運命的に『出会う』訳だからね、それはもう相当のつながりですよ。だから長い間見当たらなかった大切な物が部屋の片隅から出てきた!なんていうのもそれはある意味ずーっと手元にあった物以上の『つながり』だと思うんだよね。
 
そんな訳で今日も僕はなんとなーくビビビビビ!!!っていう『別れ』の信号を色々な物から受けつつも、それよりでっかいビー!!ビー!!ビー!!ビー!!っていう『つながり』の信号を一度別れた物や人から受けている訳です、それが『糸』という物なのだね。おしまい。