TALK SHOW by Yuhi Komiyama

コアラ

最近ちょっとしたコアラブームが自分の中で起こってるんですよ。
オーストラリアに行った友達にコアラグッズを買って来てもらったり、日本でコアラを見れる動物園を探したり、あと単純に街中の看板とか雑誌とかでコアラのイラストとかを見つけると、微妙に喜んだりしてる訳ですよ。

ほら、80年代のコアラブームってすごくアイドルっぽかったじゃないですか、コアラがね。
とにかく可愛い!!みたいな売りだったでしょ。
あん時はね、全く興味なかったんですよ、コアラに。
むしろ「こいつ、チヤホヤされていい気になってんなよ!!」なんて、どっちかというとアンチコアラだった訳。

まあコアラにしてみれば、別にチヤホヤされたくもなくて、むしろ森の奥でひっそり暮らしてたかったでしょうけどね。
でもなんとなくアイドルに仕立てあげられてしまった、それが80年代の第1次コアラブーム。
そして、そのブームが去り、『コアラのマーチ』のみがなんとかコアラという過去のアイドルをメインキャラに採用しているに過ぎなくなってしまった、この21世紀。
今こそ、僕はコアラをカムバックさせてやりたいんですよね。
ほら、コアラって実は凶暴だとかいうでしょ、爪とかすごくて。そこら辺もね80年代のブームの時には完璧に隠されてた訳ですよ、アイドルだから。
実は楽屋でタバコ吸ってんのに、それを隠してるアイドルみたいなさ、そんな感じだった訳です。
でね、今度のコアラの再出発はそこら辺を全部世に出してって、大人のコアラとして第2次ブームを築いて欲しいと思うんですよ。
アイドルが熟女になってヌードでカムバックするみたいな、そんな感じですね。

なんかそんな事を考えていたらすっかりコアラに惹かれてしまい、ここんとこコアラについて色々調べてたんですよ。
そしたらさ、コアラって相当面白くてね、ほんと80年代のアイドル的コアラブームからは想像出来ないはちゃめちゃな生態なんですよ。
例えば、親の袋を出る頃になった赤ちゃんコアラ(コアラはカンガル-とかと同じ有袋動物)は、離乳食として、親のお尻に口先を突っ込んで、親が半分消化したユーカリを食べるんだって!!
これって、どうなんよ!?親のお尻に口先を突っ込んで食べるって・・・。かなり奇妙なやつらですよね。

さらに成人したコアラの雄は、体重は10Kgくらいしかないのに、交尾する時には性器が人間の成人男子と変わらない位の大きさになるんだって!!
あの動物界のアイドル・コアラが実はSEXの時には超巨大なモノを振りかざすんですよ。体が10Kgなのに人間の大人と同じってどんだけよ。
しかもそれは普段は隠れてて全然見えないんだって。そこがまたアイドルっぽくていいでしょ、「えー?セックスってなんですかー!?分んなーい!」なんて言いながら、実はそんな立派なモノを隠し持ってた訳ですよ。(って、そもそもそんな事自体言ってないんだが)

そこら辺を知れば知る程、大人としてのコアラを好きになってきたんですね、かなり。

なもんでね、ホント今さらだけど、オーストラリアに行ってコアラを抱くっていうのが最近の夢の一つになってるんですよ。なんか10年以上前の小学生の夢みたいですけどね、マジで。21世紀に30歳の大人が抱く夢ではないですね、確実に。
オーストラリアに行ってコアラを抱きたーい!!ってね。
でもまあ、今回こそは、大人としての、本当の姿のコアラを世に出してあげたいなと、そんな事をコアラには内緒で勝手にここ日本で企んでる訳です、僕は。

<2014年のあとがき>
この文章は10年前の2004年のものですが、これ以来僕の中では常にゆるーくゆるーくコアラブームが続いてるんですが、見事に世間的にはコアラの立ち位置って変わってないですよね。
文中に書いてあるちょっと変わった性質とかもこれといって知られてないし、ほんとに何一つ状況が変わってない。
まあ動物なんでね、そんなに劇的に状況変わらなくて当たり前なんですけどね、それにしても何一つ変わってないことに、なんか不思議な時間の感覚を覚えます。
この10年で人を取り巻く環境は様変わりしたし、僕個人だけでもかなり変わってる。
でもコアラの状況は何一つ変わってない、そういうことを考えると時間って不思議だと思います。

なんて書いていたら、なんと今日オーストラリアのコアラが激減しているというニュースがネットで流れました。
うーんなんかこれコアラからのメッセージなのか、まったく不思議なつながりですね。